「肩こり・腰痛・膝痛の予防について」
なかざわ整形外科クリニック 中澤 成史
【肩こり】
首すじ,首のつけ根から肩,または背中にかけて張った,凝った,痛いなど
の感じがし,頭痛や吐き気を伴うことがある。
肩こりに関係する筋肉は,僧帽筋が中心となる。
原因として,首や背中が緊張するような姿勢での作業,姿勢の悪い人,運動
不足,精神的なストレス,なで肩,連続して長時間同じ姿勢をすること,ショ
ルダーバッグ,冷やしすぎなどがあげられます。
頻度
自覚症状を持っている人(有訴者)
人口1,000人あたり317.1人
男性 281.4人
女性 350.5人
年齢が高くなると上昇
5〜24歳 201.2人
75歳以上 537.1人
有訴者の症状
男性 1.腰痛
2.肩こり
3.咳や痰が出る
女性 1.肩こり
2.腰痛
3.手足の関節が痛む
〈肩こりの予防〉
1同じ姿勢を長く続けない
2筋肉の血行を良くし,疲労をとる
3適度な運動,体操(ストレッチ)をする
4リラックスする(入浴など)
【腰痛】
主な疾患
1.骨粗鬆症
〈予防〉
1定期的に骨量測定をする
2転ばないようにする
3カルシウムを十分にとる
4タンパク質を適量とる
5禁煙し,アルコールは控える
6運動や日光浴をする
7ビスフォスフォネートを服用する(病院に行く)
2.腰椎椎間板ヘルニア
腰痛,下肢痛,下肢のしびれが主な症状。
〈予防〉
1中腰で重い物を持たない
2同じ姿勢,悪い姿勢は長くとらない
3禁煙
4適度な運動(ストレッチなど)を続ける
3.腰部脊柱管狭窄症
歩行時の腰痛,下肢痛が主な症状。
(間欠性跛行)
〈予防〉
1姿勢を正しく保つ
2歩行時は,杖,シルバーカーなどを利用し,前かがみにする
3自転車での移動も,痛みが起こりにくく,良い運動になる
【膝痛】
主な疾患
変形性膝関節症
膝の痛み,関節水腫,可動域制限,O脚変形が主な症状
〈予防〉
1大腿四頭筋の訓練
2水中歩行
3ストレッチ(可動域制限の予防)
4歩行時に杖などを使用,または,自転車での移動も適度な運動になる