「転ばぬ先の体づくり」


本田整形外科クリニック 本田 忠


○寝たきり予防
 骨粗鬆症は寝たきりの原因の第 2 位です。老人では転倒が家庭内事故原因
の実に 7 割を占めます。骨折部位では大腿骨頚部骨折が最大の原因です。よ
って骨粗鬆症対策が大切となります。

○症状としては
 ちょっとしたことで骨折する
 背中が曲がったり痛くなる
 息切れしやすくなる
 などがあります。

○疫学
 骨粗鬆症人口は1,000万人といわれています。寝たきりになれば介護費用が
全く異ってきます。

○診断は診断基準がありますが,レントゲンや骨塩定量装置で計ることが出来
ます。

○骨粗鬆症の治療
 治療法としては薬物治療,理学療法,装具治療があります。
 早めに治療することが大切です。
 生活指導
  1 )食事   2 )日光浴   3 )運動

○運動

○大腿骨頚部骨折の予防装具としてヒッププロテクターが有効です。

○寝たきりゼロのための10か条
 転びにくい環境を作ることが大切です。

○薬物治療
 骨粗鬆症治療の目的は骨強度の増強による骨折の予防です。
 強度をあげるには骨の量と,質と構造を改善する必要がある。
  1 )骨代謝回転の維持
  2 )骨梁構造の改善
 ▼骨粗鬆症の方は症状がなくても治療する
 ▼骨量減少の方は
  1 )痛みがあれば治療する
  2 )痛みがない方(検診で見つかる)
  対象者
1 )骨量減少速度の早い方(年間 3 %以上減少する方)
2 )50歳ぐらいで骨粗鬆症に近いくらい減少している方
3 )合併症のある方
  ステロイド服用者
 薬の種類
1 )骨吸収抑制剤
エストロゲン製剤,カルシトニン,カルシウム製剤,ビスフォスフォネート
2 )骨形成促進剤
活性型ビタミンD,ビタミンK,フッ素

●薬の使い方
1 )high turnover type
骨吸収抑制剤を第一選択とする
2 )low turnover type
骨形成促進剤を第一選択とする