「生活習慣病を防ぐために −運動療法を中心に−」
向井田胃腸科内科医院 向井田 英明
生活習慣病とは
生活習慣病とは食習慣・運動習慣・休養・喫煙・飲酒等の生活習慣が病気の
発症・進行に関与する疾患群です。
動脈硬化性疾患である脳卒中・心臓病,動脈硬化の危険因子である糖尿病・
高血圧・脂質異常症・高尿酸血症,その他歯周病・アルコール性肝炎・がんな
どがあります。
代表的な生活習慣病
糖尿病,脂質異常症,高血圧,高尿酸血症について概説しました。
糖尿病を克服した假屋崎省吾さんの言葉を紹介しました。
私は「かきくけこ」を大切にしています。「か」は感動・感謝すること,「き」
は緊張を持った生活すること,「く」はくつろぐこと,「け」は健康であるこ
と(これは予防も含めて),「こ」は好奇心をいっぱい持って生きること。
人生を楽しみながら,これ以上悪化させないつもりでつきあっていきましょ
う,糖尿病は一生の友なのですから。
お勧めの運動ウォーキング
ウォーキング…私もやっています。だれでも,いつでも簡単にできる運動で
す。技術・道具・体力もいりません。年齢も関係ありません。生活習慣病の運
動に適している有酸素運動でもあります。
福田正博先生の「専門医が教える糖尿病ウォーキング」(扶桑社)について
紹介しました。
理想的なウォーキングのフォームとしては,1立ち姿勢が大切で,背筋を伸
ばして真っ直ぐに立ち,軽くあご上げ遠くを見ます_2かかとから着地しつま先
で蹴ります(足裏ローリング)3骨盤を前に出すように歩きます_4歩幅は広め
に保ち,目安としては身長−100・です_5腕は90度に曲げ後に引くことを意識
します。
時速は6・(分速100m),これはちょっと汗ばんで,ウォーキングしている
隣の人と軽く会話ができる速度です。可能であれば1日1万歩を目指しましょ
う。
ロコモティブ・シンドローム
ロコモティブ・シンドロームとは主に加齢による運動器の障害により,移動
能力の低下を来たし,要介護になるリスクの高い状態です。
ロコモーション・チェック:1片脚立ちで靴下がはけない_2家の中でつまず
いたり滑ったりする_3階段を上るのに手すりが必要である_4横断歩道を青信号
で渡りきれない_515分くらい続けて歩けない_62・程度の買い物をして持ち帰
るのが困難である_7家の中のやや重い仕事が困難である。これらの1つでも当
てはまればロコモティブ・シンドロームが疑われます。
ロコモーション・トレーニング:1開眼片足立ち訓練,2スクワットがありま
す。
開眼片足立ち訓練は,両目を開け,バランスが悪い場合には机などに軽く手
をついても良いのですが,片足を前方に5・ほど上げて立ちます。右足で1分
間+左足で1分間,1日3回(朝,昼,晩)行います。
スクワットは椅子に腰掛けるように,お尻をゆっくり下ろします。足は踵よ
り外に30度くらい開き,膝の曲がりは90度を超えないようにし,開いた足の第
2趾の向きに曲げます。曲げた膝頭がつま先より前にでないようにして,体重
は足の裏の真ん中にかかるようにします。深呼吸をするペースで5〜6回,1
日3回行います。