「呆けないために」


おっとも脳神経クリニック 乙供 通則


 呆けるということに関して,予防が出来ないアルツハイマー病は別として,
脳動脈硬化症が原因の脳血管性痴呆の予防はある程度可能です。

 養生法の一環として,脳の動脈硬化を防ぎ85歳になっても呆けない脳を呆
ち老後を充実して生きる為,食事や運動に留意し,動脈硬化をきたす因子の正
常化をはかりましょう。

 動脈硬化症をきたす疾患としては,1高コレステロール血症2高血圧3喫煙
があげられ,その他4糖尿病5肥満6家族歴7年齢8精神的緊張を伴う職業9
高尿酸血症等があげられます。

 このうち,6家族歴7年齢8精神的緊張を伴う職業はいかんともし難く,或
いは又3喫煙5肥満或いは1高コレステロール血症のうちでも高中性脂肪血症
の原因となる暴飲暴食に関しても,分かっちゃいるけどという本人の自覚を持
つしかないので,主婦が陰からそっと,脂っこいものの少ない食事とか,或い
は間食でお菓子は控えさせる等の気配りをしてあげて下さい。

 次に糖尿病や高脂血症の原因ともなる肥満に対しての食事です。ホテルなど
での食後の甘いケーキ・果物の摂取は肥満の原因です。痩せようと思ったら,
もったいないという考えは捨てなければいけません。どんどん残すようにしま
しょう。食事を残す事こそ健康で生き抜く秘訣です。

 又,善玉コレステロールを増やすと言われる青魚の摂取を毎日の食事に取り
入れたいものです。高脂血症を防ぐにはやはり運動でしょうが,毎日続ける事
に意義があります。15分なら毎日続けられますので,汗をかかない程度の軽
いジョギングをして欲しいものです。

 次は高血圧で,一番の原因は塩分の過剰摂取にありますから,出来るだけ塩
分を少なくし(目標1日10g以下),美味しい漬け物でもなるべく食べない
ようにしましょう。

 さて,喫煙による低酸素,高炭酸ガスが動脈硬化を促進します。喫煙を止め
れなければせめて呼吸法を取り入れる等,日常生活に工夫をして頂きたいと思
います。当院では調和道丹田呼吸や,ストレス緩和の為に坐禅と楊名時太極拳
を教えておりますのでご利用下さい。