「地域のベッド数」
本田忠=本田整形外科クリニック院長、八戸市在住
【地域医療計画】
青森県に六つある医療圏ごとに、基準病床数が決められ、病床過剰地域には
新規の病院の開設や増床が制限されます。なお診療所の病床は、療養病床を除
き、規制の対象となりません。
【地域のベットの種類は5種類】
医療法第4次改正(2001年)により病床区分が見直され、病床の種別は
一般病床、療養病床、精神病床、感染症病床、結核病床の5種類です。診療所
は、療養病床か否かの区分だけです。
療養病床は病院・診療所で、主として長期にわたり療養を必要とする患者を
入院させるためのものです。一般病床は病院・診療所の病床のうち、前各号に
掲げる病床以外のものです。
【現在のベット数】(医療施設動態調査2010年9月末概数)
全国では、病院の病床数は159万3354床(一般病床は90万3621
床、療養病床は33万2986床)。診療所は13万6861床(療養病床は
1万5078床)です。
【療養病床は2種類】
療養病床には、医療型と介護型があります。医療療養病床は医療保険からサ
ービスを給付し、介護療養病床は介護保険からサービスを給付します。
【療養病床の再編成について】
2006年6月の医療制度改革法で2012年3月31日までに、療養型の
35万床を医療型のみの21万床に削減。介護型は廃止して病院ではなく老人
保健施設やケアハウス、有料老人ホームなどで受け入れるようにする大幅な削
減案です。社会的入院を減らし、平均在院日数を短縮させれば、医療費の抑制
につながるとしているわけです。
【青森県医療費適正化計画】
青森県でも、これを受けて青森県医療費適正化計画で現在3655床ある療
養病床を2012年度末において1455床とするとしていますが、これでは
半分以下になってしまいます。
実行されれば、地域から大幅にベッドがなくなるわけで、困った事態になり
ます。2011年度末廃止はとりあえず延期になっていますが、今後は予断を
許しません。