「ワクチンの話5」

 大切な子どもたちの命を守るために、希望する全ての子どもに予防接種を―。
予防接種で防ぐことのできる病気のワクチンの多くは、海外においては定期接
種として行われています。

 それにもかかわらず、我が国ではヒブ(インフルエンザ菌b型)、小児用肺
炎球菌、子宮頸(けい)がん、B型肝炎、水痘、流行性耳下腺炎(おたふくか
ぜ)などのワクチンは任意接種であり、日本の予防接種政策は世界から大きく
遅れているのが実情です。

 日本医師会と予防接種推進専門協議会は、予防接種で防ぐことができる病気
から子どもたちを救うために、予防接種キャンペーンを実施し、署名活動をし
ました。

 その結果、全国の269万9019人もの国民から、賛同の署名が集まりま
した。今般、補正予算に「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例交付金」
が盛り込まれました。

 子宮頸がん予防ワクチン、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン接種に対
する公費負担が実現したことは、大変喜ばしいことですが、これらは恒久的に
実施されるべきものです。

 また、今回の補正予算の対象とならなかったB型肝炎、水痘、流行性耳下腺
炎ワクチンについても、公費による定期接種として行われるべきだと考えてい
ます。

 予防接種法を改正し、地域間や経済的格差なく、希望する全ての子どもが、
公費(定期接種)でワクチン接種を受けられる制度の実現を目指し、日本医師
会、日本小児科学会などの多くの学会が厚生労働大臣あてに要望書を提出しま
した。

 早期にこの制度が実現されることを期待しています。