「ワクチンの話2」

ワクチンを接種する意味には、
1本人がその病気にかからないため
2もしかかっても症状を軽くすますため
3周りの人にうつさないため
4抗生物質の効かない耐性菌の出現を防ぐため―の四つがあります。

 特に最近では、働く女性が増えて保育園などで小さいころから集団生活をす
る乳幼児も多く、集団感染を防ぐためにも、みんながきちんと予防接種を受け
る必要性が高まっています。

 ワクチンは、毒性を弱くした病原体やその一部を体に入れて病原体に対する
抵抗力(免疫)をつけるものです。

主なものとして、
1生ワクチン2不活化ワクチン3トキソイド―の3種類があります。
 生ワクチンは、毒性を弱めた生きたウイルスや細菌を使用したワクチンです。
体内でウイルスや細菌を一時的に増殖させ、病気に軽くかかった状態を作り出
します。

 副反応として、接種後しばらくすると発熱や発疹(ほっしん)が出ることが
あります。ポリオ、BCG、はしか、風しん、おたふくかぜ、水痘などがその
代表です。

 不活化ワクチンは、死滅したウイルスや細菌の成分をホルマリンや紫外線で
処理して毒性を弱め、免疫を作るために必要な要素だけを残してワクチンにし
たものです。

 生ワクチンよりも免疫(抗体)を作る力が弱いため、数回の接種が必要にな
ります。三種混合、インフルエンザ、B型肝炎、A型肝炎、ヒブワクチン、日
本脳炎、狂犬病、肺炎球菌ワクチンなどがそうです。

 トキソイドは、死滅したウイルスや細菌が作り出す毒素を取り出して無毒化
し、免疫のもとになる成分だけを残したワクチンで、ジフテリア、破傷風など
がそれに当たります。