「歯並び気になりませんか?」
天野亜安子=天野矯正歯科院長、八戸市在住
舌を意識したことありますか? 突拍子もない問いかけに驚かれたかと思い
ます。
ソフトクリームを舌でなめるときにアイスの冷たさと美味しさを一番先に感じ
る場所ですね。
本来は食べ物が口の中に入って来た時、食物の味覚を苦い、甘い、酸っぱい、
しょっぱいと感知し、食物として適当か否かの判断のためや、歯で咬み、飲み
込む「嚥下」の手助けをしています。
また、話すとき音を作る「構音」の重要な役目をしています。例えば、ラ行
の音は舌を口蓋に当てるように発音します。
あまり知られていないのですが、舌は歯列の形態に大きく関与し、そして舌
と口唇のバランスは前歯の角度に影響を与えると言われています。アンバラン
スであれば異常が生じ、舌がいつも上下顎の前歯の間に入っていると、臼歯が
咬んでいるのに前歯の間に隙間が出来た開咬という状態になります。
歯列を保つには、舌以外に口腔周囲筋との調和も重要と考えられています。
下唇を咬む癖があると、上の前歯が前方に押され、上顎前突となります。開咬
や上顎前突が起こると、前歯でサンドイッチ、肉などを咬み切ることが出来な
い状況になります。
このように歯並びが悪いとうまく咬めない、健康にもよくない、またコミュ
ニケーションを図る上で、対人関係にも影響がでると考えられています。
歯科矯正では、歯の上下の咬み合わせの調和、顎を動かす筋肉と顎の動きの
調和、良い咬み合わせによる虫歯・歯周病の予防、きれいな歯並びによる美し
い口元、健やかな笑顔をえるための治療をおこないます。
また、見落としがちな口腔悪習癖の改善、口唇・口腔周囲筋のトレーニング
など咀嚼機能改善のための治療なども行われています。
なお、これらの治療は千差万別で、スタート時期、期間、方法など個人差があ
りますのでご相談下さい。