「後発医薬品について」

本田忠=本田整形外科クリニック院長、八戸市在住

 後発品とは先発企業の特許(おおむね20年)の切れた医薬品(先発品)を、
後発企業が製造販売する「ほぼ」同じ成分の薬のことです。「ジェネリック医
薬品」とも呼ばれています。

 後発品について、品質の再評価などがオレンジブック総合版ホームページ(日
本ジェネリック製薬協会協力)に載っています。

 【現在の普及状況】

 後発医薬品使用状況調査(2010年12月8日)によると、保険薬局にお
ける、後発医薬品の調剤率は、2010年8月で処方せんの45・9%です。

 後発医薬品への変更が認められない場合のみ、「変更不可」欄に医師が署名
します。調査したすべての取り扱い処方せんにおける「署名あり」は33・0
%、このうち「後発医薬品を銘柄指定している」は14・1%です。

 【患者さんは「値段の安さ」よりも「効果」「副作用の不安の少なさ」で選
択している】

 後発品は先発品より安いですが、先発品と全く同じではありません。先発医
薬品と製造工程が違ったり、添加物などの副成分が異なったりすることがあり
ます。
患者さんへのアンケート(上記調査)によれば、患者さんが希望しなかったた
めに後発医薬品に変更できなかった事例が約4分の1あります。

 @説明を行ったが、患者さんが後発医薬品の使用を希望しなかったケースで
最も多かった理由は、「これまで使っていた薬(ラベルの色や剤形など)を変
えることに抵抗があった」(28・0%)

 A後発医薬品へ変更したが、その後、先発医薬品に変更した患者さんの理由
は「後発医薬品の使用感が合わなかったため」「効果に疑問があったため」「体
調不良になったため」などが目立った

 B後発医薬品を使用するに当たって重要なこと(複数回答)は、「効果があ
ること」「副作用の不安が少ないこと」が、「窓口で支払う薬代が安くなるこ
と」「少しでも医療費を節約できること」よりも上位

 先発品か後発品のいずれを選ぶかは、医師の処方せんで特に「変更不可」と
ならない限りは、患者さんご自身の選択に任せています。かかりつけの医師や
薬剤師と相談して、賢い選択をなさってください。