「2次医療圏整理統合」
本田忠=本田整形外科クリニック院長、八戸市在住
【2次医療圏の整理統合について】
国は現在、2次医療圏として、青森県内を6地域に分けて、医療を地域内で
いわば「地産地消」できるように整備しています。
しかし交通網の整備・医師不足、医療の合理化計画のために、地産地消度の
低い3地域を統合して青森県を「青森」「津軽」「八戸」の三つか、あるいは
「下北」を残した四つに統合する案が国の審議会レベルで出てきました。
【医療計画の見直し等に関する検討会の答申内容】
答申内容は、一定の人口規模(おおむね20万人未満)の2次医療圏につい
て、医療の需給状況を踏まえ、入院医療を一体の区域として提供できているか
検証するものです。特に流入患者割合が20%未満、流出患者割合が20%以
上であった場合は、設定の見直しを検討する、としています。
青森県で現在該当するのは、「西北五」「上十三」「下北」の3地域です。
【患者さんにとっての利便性の低下】
正式に決定されれば、県としては今後、答申に対する具体的対応が求められ
ることになるでしょう。これは、2次医療圏の合併、広域化です。
具体的には急性期医療を担う自治体病院の統廃合として示されます。町村レ
ベルの病院はベッドがなくなり、診療所化します。県内の自治体病院の統廃合
が、現在進行中の西北のみならず他地区でも進行する可能性があります。
青森県はご存じのごとく豪雪地帯も多いです。高速道路をはじめ、道路網が
いかに整備されても、冬の移動範囲は限られます。
町村レベルで病院がなくなれば、町村の方々にとって、入院はなかなかし難
いことになります。統廃合により町村レベルでは「地産地消」度はより下がり
ますから、厳しいことになりそうです。