「水虫について」

境皮膚科医院 境  繁雄


Q1:水虫はどうして生じるのか。

A1:カビの菌の一種の皮膚糸状菌、その大部分は白癬菌であるが、この感染
による。

Q2:その菌はどこにいるのか。

A2:水虫の人の足の皮膚の表面の角質の中にいるが、角質は毎日少しづつ剥
れ落ちるので、くつ下、スリッパ、靴などの中、家の中のほこりやごみの中、
たたみ、じゅうたん、バスマットの中などにいる。

Q3:この菌がつくとすぐ水虫になるのか。

A3:そうではない。菌の発育に都合のよい温度、湿度、衛生状態など色々の
条件が必要である。

Q4:水虫の症状は?

A4:足の指の間がふやけたり、鱗屑を生じる趾間型、足底を中心に水疱や鱗
屑を生じる小水疱型、足底の鱗屑、角質増殖を主とする角質増殖型の3型があ
り、多くは強いかゆみを伴うが、かゆみのない例もある。

Q5:この症状を示すのは全部水虫か。

A5:水虫が多いが、湿疹類や掌握蹠膿疱症もある。直接鏡検で菌の有無を確
かめる必要がある。

Q6:治療法は?

A6:抗白癬剤を症状によりうまく使いわけ、根気よく外用を続けることが大
事である。かゆみや発疹が消失しても菌は残っているので、更に1〜2カ月、
できれば次の夏まで治療を続け再発しないことを確かめるのが理想的である。

 あわない薬でカブレを起こしたり、不適当な治療で化膿し悪化している場合
もあり、この場合はカブレや化膿を治してから、水虫の治療をする。また効果
が無い場合は耐性の場合もあり、薬剤をかえたり、直接鏡検をしながら菌の有
無を確かめ治療することが大切である。予防のためには普段から足、特に指の
間をよく洗い清潔にし、乾燥を保つことが大事である。


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