「小児発疹2 流行性耳下腺炎」
高橋こどもクリニック 高橋 秀知
1.麻疹(はしか)
麻疹ウイルスによって起こり、感染力が非常に強い病気。
症状:始めはくしゃみ、鼻水、咳といったかぜ症状から、次第に結膜充血、発
熱がみられてくる。2、3日後に体に発疹がみられ3〜4日で全身に広がって
くる。熱は39〜40度位続き、発疹が癒合してくる。発疹がでる前に口腔粘
膜にコプリック斑という白い斑点がみられる。
合併症:気管支炎、肺炎、中耳炎などがあるが、稀に脳炎となり後遺症や死亡
する事もある。
治療:対症的な治療法しかないのでまず予防が大切である。1才過ぎたらなる
べく早くワクチン接種をする様にして欲しい。
2.伝染性紅斑(りんご病)
パルボウイルスによる感染症で幼児から小学生に多くみられる。両ほほがリン
ゴの様に赤くなる。1〜2日経つと腕や足にもレース状の発疹がみられる。
発疹は2〜3日で消褪するが、日光などで再び発疹がでてくることがある。
合併症:妊婦がかかると流産や死産になることがある。
治療:対症的な治療のみ。登園、登校許可は主治医から聞いておく事。
3.手足口病
コクサッキーA16ウイルスやエンテロウイルスによって起こる。生後6ヵ月
位から4〜5才の幼児に多く見られる。
症状:手掌、足蹠、口内に米粒大の水痘ができる。殿部や膝にも出てくること
がある。熱は37〜38度位で1〜2日で解熱する。
治療:対症的治療。口内の水痘が潰れると潰瘍になり疼痛あるので脱水になら
ない様に水分補給をする事。
4.単純ヘルペス
単純ヘルペスウイルスによって舌や口腔粘膜、歯肉、口唇に水痘ができる。
口内炎のため食事ができなくなる事もあるので水分摂取を充分にする事が必要。
治療:抗ウイルス剤の内服や軟膏塗布。
5.流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
ムンプスウイルスによる感染症。耳下腺が腫脹し、疼痛を伴う。片側だけの時
もある。
治療:対症治療
合併症:無菌性髄膜炎。これは激しい頭痛と嘔吐などの症状がみられる。その
他稀であるが睾丸炎、卵巣炎がある。
予防:ムンプスワクチン(任意接種)
1才過ぎから受けられる。