「小児の発疹症1」
高橋こどもクリニック 高橋 秀知
1.溶連菌感染症
A群B溶血性連鎖球菌による細菌感染症で幼児から小学生に多くみられる。
始めはかぜ症状から、38〜39度の発熱がみられ、咽頭痛、頭痛がある。1
〜2日経つとかゆみのある細かい発疹が首、胸、四肢から次第に全身に出てく
る。口の周囲には発疹が見られない。3〜4日するといちご舌といって舌が赤
くぶつぶつなってくる。治療は有効な抗生物質を10日〜14日服用する。合
併症として腎炎やリウマチ熱がある。
2.水痘(みずぼうそう)
水痘ウイルスの感染によって起こる伝染力の非常に強い病気。潜伏期間は約2
週間で発熱とともに2〜3■の赤い発疹が出始める。次第にかゆみを伴い半日
位で水疱状になり発疹が広がってくる。発疹がすべて黒いかさぶたになるまで
約1週間かかり、その間は人にうつす可能性があるので登園、登校はさせない
こと。治療は抗ウイルス剤、かゆみ止めなどの投与。予防は水痘ワクチンがあ
る。
3.突発性発疹
ヒトヘルペスウイルス6型に感染しておこる病気。ほとんど1才未満の乳児に
みられる。突然38〜39度の高熱が3日位続き、熱が下がってからおなかや
背中に赤い発疹が出て次第に全身に広がってくる。かゆみはなく、発疹は3日
位で消える。治療は対症療法で予防ワクチンはない。
4.風疹
風疹ウイルスによる感染で飛沫によってうつる。突然小さな赤い発疹が全身に
出て。同時に37〜38度の熱が出る。首や耳の後のリンパ節が腫れてくる。
はしかに似ているので「三日はしか」といわれるが、まったく異なる病気であ
る。妊娠4ケ月の妊婦がかかると胎児に目や耳や心臓の障害がでることがある
ので注意が必要。予防は風疹ワクチンである。是非接種して欲しい。