「言葉の遅れについて」
すわクリニック 後藤 麻美
一般的な言葉の発達の経過について。言葉の発達は、非常に個人差が大きい。
言葉の遅れがあるとき、まず、心配なのは、聴覚障害が疑われる場合。
次に、精神発達の遅れに伴う場合。乳児健診、1才半、及び3歳での健診は、
きちんと受けよう。
第三に、自閉症などの対人関係の障害に伴う言語発達障害。言葉の問題以外に、
行動面の問題をもっていることが多い。
また、環境要因に伴う遅れ。
その他に、特発性言語発達遅滞、と呼ばれるものがある。言葉以外の発達に異
常が無く言葉の理解も良く対人関係の問題も無いのに、言葉が遅い。大半が、
良好な経過をとり、4才頃から発語がみられ、その後かなり急速にキャッチア
ップする。
一般的な検査としては、聴力検査、言語発達検査や、精神発達、運動発達、社
会性の発達といった、他の発達を評価する、さまざまな検査がある。
聴覚障害が疑われるとか、精神発達に異常があると思われる場合、自閉的傾向
のある場合などでは、早期にすみやかに専門医に紹介されるべきだが、その他
の異常が無い場合には、家族をいたずらに不安にさせないことも大切。
家族が気をつけたいこと。
言葉を言わせようと子どもに強制することは、逆効果。身体の発達、心の発達、
人とのかかわり方の発達などが総合されて、初めて、言葉も発達するもの。子
どもの全体的発達に目を向けたい。
言葉は、コミニュケーションをとるための方法のひとつに過ぎない。言葉以外
のコミニュケーションのとりかた、ということももっと大切にしたい。