ありよし小児科 有吉 忍
Ｑ ＳＩＤＳとは
定義としては，それまでの健康状態や，かかったあるいはかかっている病気か
らは予想できない突然死が引き起こされた、原因がはっきりしないものをまと
めてSIDSということになっています。
当然、窒息死などの事故死や、乳幼児被虐待症候群、殺人などの犯罪による死
亡は含まれていません。
Ｑ 最近なぜSIDSが注目をあびるようになったのか
かっては乳幼児は、肺炎、脱水などの病気のため多数死亡していたため、出生
１０００に対して０．５ぐらいの発生しかないSIDSは関心を呼びませんでした。
しかし現代の日本では新生児期を過ぎた乳児死亡数が出生１０００に対して２
となっておりSIDSによる死亡が新生児期を過ぎた乳児の死亡の四分のーにまで
なっています。そのため現代社会において注目をあびるようになってきたと思
われます。
Ｑ 今日本では年間に何人ぐらいの乳児がSIDSによって死亡しているか
年間に約６ＯＯ人ぐらいがSIDSによって死亡していると考えられています。
Ｑ SIDSの原因はまったくわかっていないのか
最近の研究によって、おそらく睡眠時の無呼吸が関係するのではないか、とい
うことが明らかになってきています。
正常の子どもでも睡眠時には無呼吸が起きますが、正常な子どもであれば普通
それに対する覚醒反応が起こり、呼吸が回復しますが、SIDSの子どもの場合は、
病的な無呼吸が続き死に至るのではないかとされています。
Ｑ SIDSがおきやすい要因は
これまでの疫学調査から統計的に次のような場合にSIDSが発生しやすい、とさ
れています。
うつ伏せ寝、人工栄養、両親の喫煙の習慣、男子、未熟児などおおくの危険因
子があげられでいます。
Ｑ SIDSの発生を予防する方法は
完全に防ぐことはできませんが、危険因子をできるだけ減らすことが有効と思
われます。SIDS家族の会では、次のような予防キャンペーンを行っています。
＊仰向け寝で育てよう
＊たばこをやめよう
＊できるだけ母乳で育てよう
＊なるべく赤ちゃんを一人にしないで
以上のような点に注意するだけでもSIDSの発生を減少させることが可能です。
