「肝炎の予防」

高木クリニック 高木 伸也


Q:肝炎の予防はできるのですか?

A:みなさんが子供の時にいろいろな予防接種をうけますが、それと同じよう
にウイルス肝炎の場合も予防接種などで予防できるものがあります。

Q:具体的にはどうするのでしょうか? まずA型肝炎についてはどうでしょ
うか?

A:A型の予防接種をする場合には、まずその人がこれまでA型肝炎にかかっ
たかどうか、A型肝炎ウイルスに対する抗体を調べます。抗体がある場合には、
今後A型肝炎にかかる心配はありませんので予防接種の必要はありません。
一方抗体がない場合には予防接種を考えますが、全員が予防接種を受ける必要
はありません。

予防接種対象者としては、調理・食品関係者、幼稚園・保育園従事者、小児科
領域の医療従事者、海外長期滞在者、海外僻地への旅行者、A型肝炎患者家族、
A型肝炎流行地住民などハイリスクの人たちとなります。
予防接種の実際は、A型肝炎ワクチンを3回注射するということになります。
2回目は、初回の4週後、3回目は、24週後となります。

Q:B型肝炎の予防はどうでしょうか?

A:B型の予防接種の場合も、B型肝炎ウイルスがなく、かつ抗体もない人が
対象となります。この場合もハイリスクの人が対象となり、母親がB型肝炎ウ
イルス陽性の場合、生まれてくる子供、医療従事者、B型肝炎ウイルス陽性で、
より感染力の強いとされているe抗原陽性者の家族、特に乳幼児、婚約者、配
偶者などが予防接種対象者となります。予防接種の実際はA型肝炎同様、B型
肝炎ワクチンの3回の注射となります。
この場合、ワクチン接種前にB型肝炎ウイルスに対する抗体を多く含んだ、免
疫グロブリン製剤の注射を併用することも多いです。

Q:C型肝炎の場合はどうでしょう?

A:C型肝炎の予防ですが、残念ながらC型肝炎ワクチンは開発されていませ
んので、予防接種による予防はできません。現在C型肝炎に感染したという可
能性がある場合には、C型慢性肝炎治療に使われるインターフェロンという薬
剤の少量短期注射が試みられている程度です。

Q:A型、B型の予防接種は、どこでうけられますか? 

A:A型、B型の予防接種は、原則的にはどこの医療機関でもうけられますが、
事前に電話などで確認した方がいいでしょう。


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