「婦人癌検診について」
倉本クリニック婦人科産科 倉本 雅規
婦人がん検診ついてのお話し
婦人がん検診には子宮頸癌・子宮体癌・卵巣癌・乳癌に対する検診が含まれ
ます。このうち八戸市総合健診センターで子宮頸癌・子宮体癌・卵巣癌につい
ては産婦人科で担当して行っております。検診の目的は癌の早期発見による早
期治療で癌による死亡率を低下させることです。早期癌というのは症状が無い
ことが多くそのため検診が重要となります。
症状のある人は、病院・診療所で診察を受ける。どこの診療科を受診すれば
いいのか分からない方は、「ホームドクター」・「かかりつけ医」に相談して
アドバイスを受ければいいと思います。こちらの方が効率的に癌が発見されま
す。スクリーニングをして癌を発見するのは労力とお金のかかることです。症
状があればその症状をおこす疾患についてより効率的に診断できるからです。
子宮頸癌は子宮頸部から直接細胞を取ることによって精度の高い細胞診でス
クリーニングします。子宮体癌は最近6カ月以内に不正性器出血があり、50
歳以上・閉経以後・未妊婦で月経不規則のものに。子宮内膜細胞診でスクリー
ニングします。卵巣癌は経膣超音波断層法でスクリーニングします。スクリー
ニングの結果要精検となるのは、それぞれ1%・2%・3%ぐらいになります。
癌が発見されるのは0.07%・0.1%・0.035%となります。子宮体
癌・卵巣癌は増えてきている癌ですし、子宮頸癌は30?40といった比較的
若い層に多くなってきています。婦人科癌検診が重要となってきている訳です。
卵巣癌の検診で使う超音波というのは気体は通りにくいのです。胃癌検診の
後腸にガスが溜まっていると見にくいのです。7月から検診精度を上げるため
胃癌検診とは別れて行うようになりました。
質問:市内 50歳 女性
先日、健診センターで婦人科の健診を受け、要精検となりました。一緒
に入ってきた紙を見ると、?aと書いていました。いろいろ考えると心
配で夜も眠られません。
これに関連して
1.要精検というのは癌が発見されたということでしょうか。
2.数字が書いてあるのはどういう意味なのでしょうか。
3.初期癌や進行癌というのはどのような状態を指しているのですか。
4.癌検診は婦人科癌で死亡しないために有効ですか。