ぎょう虫とは(目黒寄生虫館より引用

ぎょう虫にはオスとメス<写真1があり、おとなになったメスのからだは 813mm、オスはメスよりずっと小さく25mmで、ろうそくのような白い色をしています。かい虫のおとなが30cmくらい、こう虫11.5cmべん虫35cmの大きさになるのにくらべれば、とても小さいものです。オス、メスとも頭のところに側翼(そくよく)<写真2と呼ばれる、ふくらんだ部分(ぶぶん)があります。オスとメスの大きくちがうところは、<写真3のようにメスの尾(お)はピンのようにとがっているところです。ぎょう虫は、人の盲腸(もうちょう)にきせいし、きせいする数がどんどん増(ふ)えると大腸(だいちょう)などにもきせいします。小腸(しょうちょう)の真ん中あたりにきせいするかい虫やほかのきせい虫は、きせいしたところに卵を生みますが、ぎょう虫のメスはちがいます。卵を生むときがくると、メスは直腸(ちょくちょう)を下がっていき肛門(こうもん)の外に出てきます。たまにちがう場合(ばあい)もありますが、その時間は、だいたいは人がねむっている夜のあいだだけです。メスは、肛門のまわりで、ピンのようにとがった尾をささえにして、1時間ぐらいのあいだに7,00010,000個(こ)の卵を生みつけます。ふつう、卵を生みおわったメスの母虫(ははむし)は、人のからだの中へ戻(もど)ることはなく、力を出し切ってまもなく死にます。
生み出された卵<写真4は、卵内の細胞が発育するのが速く、6〜7時間もすると<写真5のように殻(から)の中に幼虫(ようちゅう)のかたちができあがってきます。これが人にうつる力をもった成熟卵(せいじゅくらん)と呼ばれる卵です。ぎょう虫は人がねむっているあいだに卵を生(うむ)ことは、さっきお話しましたが、このような成熟卵が、朝になるころには肛門のまわりだけではなく、いろいろなところにちらばるのです。なぜなら、卵を生むときのメスのピンのような尾によってかゆくなるため、知らないあいだに手や指でかいてしまいます。それで口から、かんたんにからだに入ってしまうのです。また、下着(したぎ)やパジャマ、ふとん、たたみ、ゆかの上にもちらばると、ふとんのあげおろしや、そうじのときに空中にもまいあがって感染(かんせん)してしまいます。感染とは、病気の原因(げんいん)となるものが、からだの中に入ってくることです。そして家族(かぞく)の中に広がりやすいので、これを家庭内感染(かていないかんせん)といいます。家庭内にばらまかれたぎょう虫の卵は、からだや洋服(ようふく)について、幼稚園(ようちえん)や学校などに運(はこ)ばれ、おゆうぎをしているときなどに、人から人に感染していきます。ほかのかい虫こう虫の卵は、人や動物の便(べん)から畑などの土に移(うつ)り、2〜3週間の成熟期間(せいじゅくきかん)という時間がたってから野菜(やさい)や食べものにくっついて感染するという道すじがあります。ところがぎょう虫の卵は、育つのがものすごく速く、人から人へ感染していくので、感染をストップさせるのがむずかしいのです。都市部(としぶ)のほうが農村部(のうそんぶ)より感染することがとても多いのです。ぎょう虫の卵は、季節(きせつ)によってもちがいますが、冬は7日以上(いじょう)、春や秋の気温(きおん)が 20度くらいのときには40日以上も生きていることがわかっています。ところが、夏の30度くらいのときは、3日以上生きることができません。ということは、春と秋がいちばん感染の危険(きけん)があるときです。のみこまれたぎょう虫の卵は、そのまま十二指腸(じゅうにしちょう)まで行き、そこでかえります。幼虫は2回ほど脱皮(だっぴ)という古い皮(かわ)をぬぐことをして大きくなります。1度、腸粘膜(ちょうねんまく)の中にもぐりこみ、また腸管(ちょうかん)に出てきます。そのあと、盲腸まで行ってもっと大きくなります。感染から、だいたい45日で成虫(せいちゅう)となり、ほとんどのメスは2ヶ月くらいで、肛門のまわりにあらわれて卵を生みます。これがぎょう虫の一生(いっしょう)です。

ぎょう虫

ぎょう虫側翼

ぎょう虫ピン状の尾

ぎょう虫卵

6〜7時間後のぎょう虫卵


ぎょう虫卵検査陽性だったら!?


新学期になると学校薬剤師会では、八戸市教育委員会より依頼を受け保育園や幼稚園、

小学校123年生の「ぎょう虫」の虫卵検査を行っています。

最近は回虫や鉤虫など昔よくいた寄生虫は姿を消しましたが、ぎょう虫検査では、まだ

陽性なる幼児童があります。

基本的にぎょう虫がいると お尻がかゆい かゆさの為おちつきがなくなったり(神経質)

ひどいと寝不足になったり、内臓の組織に侵入した場合には、大変な病気になったりします。

検査結果が陽性になった場合には、各学校の養護の先生より指示がありますがくすりの服用

により陰性になります。(家族全員の確認) 服用後の再検査を行います。

寄生虫のサイトがありますのでリンクします。


ぎょう虫ってなあに (目黒寄生虫館へリンク)